2018年上半期の売上高は過去最高の40億ドル

オークション市場は一時低迷したものの、近年は高額な取引が増え、2018年上半期は過去最高の40億ドルを超える売上高を記録した。そのうち8.35億ドルは、美術品コレクターとして有名なロックフェラー家のコレクションによる売上げだ。欧米・アジアの大都市で開催されたオークションにロックフェラー家が出展した作品は2000点におよび、世界中から8.5万人が訪れた。

ニューヨークのオークションでは、ピカソの「Young Girl With a Flower Basket(花かごをもつ少女)」が1.15億ドル、モネの「Water Lilies in Bloom」が8470万ドル、フランスの画家アンリ・マティスの「Odalisque Reclining with Magnolias」が8007万ドル で落札されるなど、合計44点が売れた (ガーディアン2018年5月9日付記事)。

クリスティーズいわく、既存の美術収集家だけではなく、新規の顧客による売上も好調だった。市場の需要が拡大したことで、2018年上半期、同社の主要事業であるオークションの売上高は28%増の36億ドル、顧客への直接販売の売上高は2倍以上の3.9億ドル、オンライン販売の売上高は50%増の3800万ドルだった。

意外な作品が意外な値段で売れる?

著名人の作品以外も数多くあつかっているが、意外なものも高額で取引されている。

2013年9月にトリケラトプスの頭蓋骨が27万ドル以上、同年11月にスチール製の「Balloon Dog」 というオレンジ色の置物が5841万ドル、2017年12月に第二次世界大戦中に使用された「エニグマ暗号機」が43.5万ドルで落札された。

クリスティーズと並ぶオークションハウス、サザビーズ のオークションでは、2014年6月にジョン・レノンの「Mrs Wilsod Showing Her Toilets on Telly」という直筆スケッチが2.5万ドル、同年11月に米銀行家ヘンリー・グレイヴス・ジュニアが所有していた懐中時計が2412万ドル、2017年12月はキャンベルのトマトスープの缶をモチーフにしたビーズ製のバッグが1376ドルで売れた(ビジネスインサイダー2018年1月23日付記事 )。

日本からも出品・入札OK

今後開催が予定されているオークションは、中国の芸術家Ma Shaoxuan が装飾を手掛けた「スナッフボトル(嗅ぎたばこを入れるための容器)・コレクション」、18~19世紀風のスタイルを得意とするニューヨークのデザイナー、ティム・ブリット の「インテリア・コレクション」など。9月にはワインや腕時計 のオンライン・オークションも開催される。

クリスティーズのオークションには日本からも参加可能だ。日本語のサイトもあるので、英語が苦手でも安心して利用できるだろう。出品作品の査定を無料でしてくれる点も嬉しい。ただし出品の際の問い合わせや手続きは、日本以外の国・地域(香港、ニューヨーク、ロンドンなど)のオフィスを通す必要がある。

入札希望者 も事前登録・銀行紹介などの手続きが必須だ。入札は会場、オンライン、電話、書面で受け付けている。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online

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