例えば受験を控えている学年の場合、冬休みなどの講習だけ利用する子どもたちもいるが、困窮家庭の場合は経済的な問題でそれもかなわない。参考書など教材の購入や模擬試験の受験についても同様だ。
受験を控える時期など、進路を左右する大切なタイミングでもこうした格差はより分かりやすく表れてくる。世帯所得により学校の成績や進学先が制限されてしまうということは、生まれた環境が子どもたちの将来に直接的に影響してしまっているということになるだろう。
進学を控える困窮家庭の子どもたちへの食糧支援
今回のクラウドファンディングで集まった支援は、困窮家庭の子どもたちが冬休み・年末年始を安心して過ごし、その先の未来に繋がる学習や体験機会に結び付けられるように活用する。
冬休みで給食が無くなり不足する食料を補うため、自宅に直接配送する支援を行う。配送料等手数料まで全て含め、1世帯当たり10,000円×約1,250世帯と想定し、この支援を行うために1,250万円が必要になる。
10月に児童手当が拡充されたが、それでもまだ困窮度の高い状態にある「進学を控える学年の子どもを持つ世帯(現:入学前・小6・中3・高3)」に優先して届けていく。
経済的な困窮下で栄養の摂れない乳児への支援も
またキッズドアのアンケート調査時に、現在の経済的な困窮下で「粉ミルクを薄めて乳児に与えている」という事例が数件確認された。その健康リスクの大きさを伝えるとともに、食料支援と並行して粉ミルクを自宅へ配送する支援を行う。
学習支援の場・居場所を提供
またキッズドアでは、困窮家庭で学びの機会を奪われている⼩学⽣〜⾼校⽣世代の子どもたちを対象とする完全無料の学習会を、東京都近郊および宮城県内で運営している。⾷事の⽀援も⾏う居場所型学習会も含め、2,000名ほどの生徒を対象に約70教室を展開中だ。
冬休みを含む下半期の運営費のうち、約700万円を各拠点の運営に充てることで、学習支援や生活支援、また体験活動の提供等を行っていく。