ドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)も第6話。

 初回の冒頭でプロデビュー後のほこ美ちゃん(奈緒)がサウスポーのスタンスで戦っていて、その後、入門したジムでは右構えで練習していたので、ボクシングがモチーフのドラマなのにずいぶんいい加減なんだなと思っていたんですが、今回、ちゃんとこだわって作っていたことが分かりました。

 ほこ美ちゃん、右利きだけどサウスポーのほうが動きやすい体だったんですね。で、それに気づいた海里くん(玉森裕太)にアドバイスされて左に構えを変えたら、めっちゃスムーズに動くようになってた。Xで奈緒さんが「私自身右利きのサウスポーなのですが、ほこ美ちゃんのおかげでオーソドックスでも少しだけ動けるようになったことは、今思うと、とても貴重な時間でした」と書いてて、「右利きのサウスポー」というマニアックなボクシング用語がドラマの中でわりと重要な役割を果たしていたのだな、と改めて思いました。第1話のレビューで長々と触れておいてよかった。

 というわけで、ドラマ自体はますますほこ美ちゃんより、そのサウスポー体質に気づいた海里くんにフォーカスしていってます。振り返りましょう。

■「右利きのサウスポー」が効いたシーン

 前回、ほこ美ちゃんをラブホに連れ込んだものの、お酒の影響もあって素直になってしまい、しくしく泣いちゃった海里くん。事態に乗じてバックハグから告白したほこ美ちゃんは翌朝、付き合うのかどうか確認しますが、海里くんは「このままでいいんじゃね?」などとつれない返事。ムカついたほこ美ちゃんは、よりボクシングに打ち込むことにしたのでした。

 一方の海里くんは仕事先に紹介されて、一流スポーツカメラマンの朝倉修太郎(安井順平)のアシスタントに応募しますが、その写真を「よく撮れてるだけ。被写体と向き合ってない。逃げるな」などと言われてしまいます。

 それでも海里くんは、朝倉師匠の写真に大いに触発され、本格的に写真の道に進むことを決意。バーもやめたし、お金を引っ張っていた女の子たちも全員切ったそうです。これには、同居人の子犬みたいな男・悟(倉悠貴)も不満そう。