日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、岩手県一関市を写真とともに紹介する。
Vol.339/岩手県一関市
旧花泉町から、一関市街地へ入っていく。一関市といえば「厳美渓」というイメージは、以前から持っていた。国の名勝、天然記念物である厳美渓で、磐井川の渓谷に浸食で形成された巨大な奇岩群が連なる。前回の旅でも訪れた場所ではあるけれど、雨なので、逆に行ってみたいと思った。見え方がちょっと違うかなって。
駐車場にカブを停めるとき、途中のガラスパークを見て、「前回の旅でも見たなあ」と思った。かなりインパクトのある外観や宣伝だったから、こういうときに記憶がよみがえるなあと。
そして、駐車場では車がたくさん停まっている。さすがは厳美渓だ。雨でも観光客は多い。滑らないようにゆっくりと渓谷に近づいていくと、雨の中を流れる磐井川と、ダイナミックな奇岩群を眺めることができた。見学している場所は高さもあるので、足元が怖いという感覚も。
また、観光客のさす傘が集まっている箇所があった。厳美渓名物の、郭公だんごを待つ人たちの列だ。団子屋さんは川の対岸の斜め上にあって、籠に料金を入れて注文すると、回収されたあと、ターザンのように籠が手元までビューンとやってくる。