なぜ目黒がこのような番組に出演したのかといえば、キリンとの関係性が大きく影響したのは間違いないだろう。

 キリンはジャニーズ性加害問題を受け、目黒を起用していた「キリン 午後の紅茶」の広告を停止。しかし、今年3月に「目黒さん本人とも対話の場を持ち、当社グループ会社の広告に対して情熱を持ってブランドの価値向上に取り組んでいただいていたことや、これまでの実績だけでなく、目黒さんの誠実な人柄、俳優としての唯一無二の魅力、商品や当社のイメージとの親和性を再確認しました」として、広告を再開すると共に「キリンビール晴れ風」のCMへの新規起用を発表した。

 目黒は自身のSNSで「直接たくさんの言葉や考えを受け取って、問題としっかり向き合い、話し合い、何をすることが人権を守るということなのか深く考えてくださり、僕は本当に自分の心を守ってもらいました」などと声明を発表し、キリンとの信頼関係の強さをうかがわせた。

 結果、目黒ファンの購買力の大きさもあって「キリンビール晴れ風」は年間550万ケースを販売する見込みとなり、日経トレンディ「2024年ヒット商品ベスト30」で6位に入るなど大ヒット。キリンと目黒の絆はより強固になった。そうした事情があり、目黒は大恩あるキリンからのオファーを快諾したのだろう。ある意味、今回の番組はキリンと目黒の結びつきの強さを証明したともいえそうだ。

 ただ、おそらく目黒もここまで露骨な“商品宣伝”になるとは思わず、ネット上の反響に困惑しているかもしれない。イメージ管理ができていない事務所の問題でもあるだろうが、キリンは目黒や彼のファンとの信頼関係を大事にするためにも、「トップアイドル目黒蓮をどのように使うのか」という部分にはもっと気を遣ったほうがいいのではないだろうか。