球団の松本尚樹本部長は9日午後、ZOZOマリンスタジアムで報道陣の取材に対して入団交渉時から早期のメジャー移籍容認に関する約束があったのかを聞かれると「これは実際、本当にないですね」と否定。だが、さるパ・リーグ球団スカウトは次のように語る。
「ドラフト会議前、当時大船渡高校の佐々木側と、ドラフト指名を希望する球団との間で、面通しがありました。球団からは育成方針、佐々木側から将来の希望や疑問点などを確認し合う場だったのですが、その時点でメジャー球団への早期移籍というのは必須条件で、マッチングできない球団は獲得を見送ったと言われています。今回、移籍が実現しても譲渡金は決して高額ではない。間違いなく“約束”がないとこの移籍は実現できなかった可能性も高い」
さらに前出の球団関係者は、かつてドラフトで大問題となった江川卓を彷彿させると頭を抱える。
「このままではプロ野球選手を終えても、ずっと悪役のイメージがついてまわってしまう。かつて、巨人入団まで揉めていた江川卓は圧倒的な実力を誇りながらも、1978年の“空白の一日”事件によるドラフト外入団により、現役時時代、中でも形式上、ドラフト1位指名した阪神ファンからのバッシングは尋常ではなかった。今は一挙一動がSNSで取り上げられ、どこにいても色眼鏡で見られるだろう。その覚悟を本人が持っていればいいのですが……」
佐々木は現在国内にいるものとみられるが本拠地での秋季キャンプには参加しておらず自主的に体を動かして雲隠れている。11月17日にはZOZOマリンスタジアムでファン感謝祭が開催される予定で、佐々木のロッテのユニフォーム姿はラストになる可能性が高い。野球ファンとしては彼の挑戦にエールを送りたいが、観客はどんな反応をみせるのだろうか。