千葉ロッテマリーンズは11月9日、佐々木朗希投手についてポスティングによる米メジャーリーグ球団への移籍を認めると発表した。

 佐々木のメジャー挑戦については、正式発表数日前から現地記者たちがXなどで移籍、あるいは残留について言及。中には「ここ数日の間に発表されるだろう」と具体的に踏み込んだ内容もあり、その動向が注目されていた。

 注目度の高さゆえか、移籍に向けての動きは球団も用意周到だった。9日午後3時にはまず佐々木のコメントを発表した。

「入団してからこれまで継続的に将来的なMLB挑戦について耳を傾けていただき、今回こうして正式にポスティングを許可していただいた球団には感謝しかありません。ロッテでの5年間はうまくいかなかったことも多かったですが、どんな時もチームメート、スタッフ、フロント、そしてファンの皆様に支えられながら、野球だけに集中してここまで来ることができました。一度しかない野球人生で後悔のないように、そして今回背中を押していただいた皆様の期待に応えられるように、マイナー契約から這い上がって世界一の選手になれるよう頑張ります」

 吉井理人監督も「チームとしてはもちろん、とても痛いです。ただ自分もアメリカでプレーをした事があるので気持ちはものすごくわかります。そして若い今、チャレンジしたいという気持ちも分かります。未完成な部分は正直、まだまだありますが、アメリカで自身を磨き、さらにレベルアップすることも出来るのではないかとも考えます。2020年、石垣島キャンプのブルペンで初めて目にした彼の投球は私にとって野茂英雄を初めて見た時以来の衝撃でした。それを向こうでぜひ証明して欲しいです。頑張ってください」と快く送り出す姿勢をコメントで示した。

 ただ球団関係者に言わせると、このタイミングでのメジャー移籍は決してプラスには働かないようだ。

「佐々木は入団交渉当初から将来的なメジャー挑戦を訴えていて、球団と密約があったとまで言われています。本人は夢を実現させたいと言い続けていたのですが、昨年オフはなかなか契約更改が進まず、合意に達したのは今年1月26日のこと。直後から『ゴネ得』『成績を残してメジャーに行け』とネットを中心にファンの荒れた声が多数見受けられました」