江戸時代に世間を騒がせた赤穂事件、いわゆる「忠臣蔵」の中心人物である「大石内蔵助」と、悪役「吉良上野介」。神様になったヒーローたちと、故郷で静かに眠る悪役に関する、それぞれの地元スポットをご紹介します。
忠臣蔵をめぐる
江戸時代、命をかけて主君の仇討を成し遂げた47人の赤穂義士の物語「忠臣蔵」は、歴史的にも有名な事件の1つですね。ヒーロー的存在の「大石内蔵助」と「四十七士」ですが、その一方で討ち取られた「吉良上野介」は徹底的な悪役として日本史上にも残されています。
果たして、本当はどうだったのか?地元では名君として慕われた殿様「吉良上野介」が眠るお寺や、「大石内蔵助」を祀る神社など、世間を騒がせた忠臣蔵ゆかりの地を訪ねてみたいと思います。
赤穂義士たちのふるさと「赤穂大石神社」(兵庫)
赤穂市にある大石神社のご祭神は、ずばり大石内蔵助と四十七士。参道には赤穂義士たちの石像がずらりと並んでおり圧巻です!筆者が訪ねたのはお正月だったので、初詣にたくさんの人で賑わっていました。
併設する「義士史料館」(入館料大人450円、中学生以下無料)では、忠臣蔵にまつわる貴重な史料や宝物を見学することができます。また元禄茶屋では、期間限定の茶そばを楽しめたり、赤穂の塩関連のおみやげも買えますよ。
大石内蔵助の目的は?
温厚でまじめで頭のよい人だったと言われている大石内蔵助。仇討を遂げた後、すぐに切腹せず、自分たちの身柄を幕府にあずけました。その結果、幕府は彼らの処遇に困り果てます。
世間が注目する中、助けるか、罰するか…。内蔵助の真の目的は、そこだったという見方もあります。有無を言わさずお家をとりつぶした(解散させた)幕府は、大石にとって吉良と共にもう1つの仇討の相手でもあったのではないかと考えられてもいるのです。
ちなみに大石内蔵助は今、主君と共に東京の「泉岳寺」で眠っています。
悪役「吉良上野介」が眠る「華蔵寺」(愛知)
愛知県西尾市にある臨済宗の寺院で、上野介の曽祖父が創建しました。本堂に続く石段は立派なのですが、危険ということで使用禁止。ちゃんと迂回する道があります。
大規模な寺院ではありませんが、静かで趣のある雰囲気がいい感じのお寺です。上野介が作った庭園や経蔵などを見ることができます。
寺の一画に吉良家代々の墓所があります。上野介もこちらで眠っています。命日にあたる12月14日には、法要が行われ多くの参拝客が訪れるそうです。