クーファの美しいモスク
それでは、これよりクーファの美しいモスクをご紹介します。
大モスク(Masjid al-Muazzam)
クーファにある大モスクは、現存する世界で最も古いモスクの一つです。モスクと呼ばれる寺院が建設されたのはここが世界初ともいわれています。ここは西暦638年から建設が始まり、何度も大幅な再建と修復が行われてきました。アリーは661年にこのモスクで暗殺されており、当初はこのモスクに埋葬されていました。749年、ウマイヤを倒しアッバース朝の初代カリフが正式に宣言されたのはこの大モスクでした。
ここは入り口です。警備をしている警察にカメラとパスポートを預け、女性はチャドルを借りて二度のチェックポイント(持ち物、ボディチェック)を通ります。
広大な敷地にいくつかのモスク、寺院が点在します。イスラムの伝統では、ここはノアの住居であり、彼が方舟を造った場所ともされています。
また、このモスクで一回お祈りを行うことは、他の場所で1,000回の祈りを行うことと同等で、メッカ巡礼と同等であるとシーアは述べています。
一番手前にある寺院の入口は、趣向凝らした豪華なものです。カルバラーのアッバス廟に負けずとも劣らない美しさです。
天井の装飾も美しいです。何世紀にもわたって歴史的・宗教的に重要なモスクの一つです。
グレート・モスク(Al-Sahla Great Mosque)
美しい建築様式が特徴的なこちらのモスクは、アリーとイマーム・ザマンの住処であったとされるモスクです。
このモスクは、十二代目の隠れイマームであるムハンマドが再出現後に住むとされている重要なモスクです。
こちらのモスクは天井ドームの装飾に個性が光ります。
広い礼拝室の天井は、大きいドームの周りを小さな複数のドームが囲むなど、これまた珍しい(虫っぽい?笑)素敵なデザインです。
筆者は世界中のモスクを探訪してきましたが、ここまでにない珍しい色使いとデザインです。
サーサ・ビン・ソハン・モスク(Saasa bin Sohan Mosque)
クーファには大小様々なモスクが点在します。上述の二大モスクを筆頭に、小さなモスクも建築美の光るものが多く、モスク巡りの楽しい街です。こちらは、アリーの教友でありシーアに尊敬されるサーサ・ビン・ソハンのモスクです。
ムアウィヤ1世によって現在のバーレーンに追放され、666年(西暦44年)に亡くなっています。ドームやミナレットの細部にわたり緻密な装飾の凝らされた美しいモスクです。
クーファはアリー・シーアの拠点だけあり、このほかにも美しいモスクの多い街です。ぜひ、ご自分の足で新たな美しいモスクを探訪されてみてはいかがでしょうか。