◆1000年前も変わらず「酔ったお父さんはめんどくさい」
酔っぱらいといっても暴れているわけではないので、落ち着かない気持ちになりつつも、中宮様は楽しそうにお聞きになっている。奥様は聞いていられないと思われたのか、お部屋に戻られたようす。
道長殿は「いけね。見送らないと母君に恨まれちゃうからな」とあわてて御帳台の中を通って後を追った。
「御帳台の中を通り抜けるなんてナメとんのか、と中宮様はお思いでしょうけど、この親あっての尊いお立場なんですからね」と殿が言い残すのを、女房たちが笑う。
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まさに、めんどくさい酔っぱらいお父さんそのものです。娘にちょっかいをかけたり、夫の酔態を見ていられなくなった妻が退散したり、現代でもどこかで見たなと思うシーンですが、それでもお茶目な言動で場に笑いが起きるのが道長のすごいところ。
権謀術数に長けているだけでなく、人間としての可愛げも兼ね備えていたことが、時代の長者となる一因だったのかもしれません。
<文・構成/女子SPA!編集部>