楽々園

楽々園の玄関

楽々園は、玄宮園の北西にある、彦根藩の二の丸御殿です。こちらも、彦根藩の井伊直興が、藩主になった翌年の延宝5年(1677年)から、2年かけて造営されました。槻御殿(けやきごてん)とも呼ばれていたそうです。南側に立派な玄関があり、そこに御書院が続いています。

楽々園の御書院。右奥の高台には、地震の間、楽々の間が建っている。

玄関右側の小さな出入口から入ると、御書院が見られます。藩主が隠居後に利用する建物となっています。奥のやや高台になった部分に「地震の間」が、さらに奥には「楽々の間」が建っています。

「地震の間」とは、変わった名前ですが、これは、地震対策がなされた建物であるため、現在ではそう呼んでいるもので、当時は茶座敷だったそうです。

楽々園の御書院前にある庭園。枯山水となっているが、古地図によると、水が満たされていたそうだ。

御書院前には、庭園があります。さきほどの玄宮園の大きな庭園と違って、水のある池などを配さない「枯山水」となっていますね。

楽々園は、入場は無料ですし、見学に時間もさほどかかりません。筆者が訪れた際は、公開されていませんでしたが、御書院の内部が公開されることもあるようです。興味のある方は立ち寄ってみてください。

彦根城にも登ってみよう

玄宮園を散策したら、彦根城にも登ってみてはいかがでしょうか。彦根城は、彦根藩2代藩主の井伊直継によって彦根山に築かれた城で、天守や櫓(やぐら)が国宝に指定されています。

天守までの道や、天守内にある急勾配の階段を上るのは、体力のある人でも息が切れるほどですが、現存する天守や櫓などを見学できるのは、価値のあることでしょう。

彦根城天守からの眺め。琵琶湖や彦根市街がよく見える。

天守からは、琵琶湖を望む爽快な景色が楽しめます。しんどい思いをして登ってくると、より素晴らしく感じられるかもしれませんね。天守や、途中にある櫓からは、彦根市街もよく見えます。

お城のふもとにある彦根城博物館。料金は一般500円だが、少しお得な彦根城とのセット券もある。

ふもとには、彦根城博物館があります。館内では、彦根藩主井伊家に伝わる多くの大名道具を展示しています。また、表御殿を復元した当施設は、居間や茶室、庭園を再現しており、江戸時代の藩主の暮らしを偲ぶことができます。