1883年創業のごま専門メーカー・和田萬は、11月5日の「ごまの日」に際し、ごまの廃棄ロス削減や国産ごま自給率向上への挑戦など、同社の取り組みについて公表した。

同社は、これまでの歴史や現在の事業、これから取り組みたいこと、「ごまの今」を紹介し、理解を広げたいと考えている。

創業140年のごまの老舗メーカー

大阪府大阪市北区に本社を置く和田萬は、創業140年のごまの老舗メーカー。いりごまをはじめ、油やドレッシング、ふりかけ、菓子など、11月時点でごまを使用した約300種類の商品を製造・販売している。

同社製品は11月現在、米国をはじめ13カ国に輸出されており、売上の約20%を海外市場が占めているという。特に米国・フランスでは、サラダやパスタ、ピザなどの創作料理にごまが取り入れられ、和田萬の焙煎技術が高い評価を受けているそう。

また、同社は、ごまの加工・販売はもちろん、ごまの廃棄ロス削減や国産ごまの自給率向上にも取り組んでいる。



2023年4月には、本社1Fにカフェ「IRUAERU(イルアエル)」をオープン。

ごまラテやごまモナカなどの美味しく健康に良い食事と、生活に関連するワークショップや絵画の展示を通じて、日常の幸せを感じてもらう場を提供するなど、新たな挑戦も始めている。

国産ごま自給率はわずか0.03%

同社によると、国産ごま自給率はわずか0.03%しかないそう。日本の食卓に欠かせない存在と言っても過言ではないごまだが、実はほとんどが海外からの輸入に依存している。

ごまは栽培の機械化が難しく、収穫の際に混在したごま以外の混雑物を取り除くために手作業が多くなり、手間がかかることから農家からは敬遠されがち。

このまま生産者が減っていっては国産ごまが消滅してしまう。そんな危機感から、和田萬は自社でのごま栽培に取り組み始めた。

2001年から社をあげて「国産ごまプロジェクト」を開始。最大の産地・鹿児島県喜界島をはじめ、主産地の九州、島根、兵庫、富山など、20件前後の生産者に契約栽培を依頼し、開拓エリアを広げてきた。11月現在、年間製造量は約15トン、国産ごまの生産の30%以上のシェアを獲得するまでとなった。同社は、日本で品質と安全性を追求し、国産ごまの価値を高める取り組みを続けている。