偽造品ビジネスと戦う高級ブランド

この調査が示すように、消費者間で「偽物でもいい」という考えがさらに広がれば、高級ブランドにとっては致命傷となりかねない。近年、多くの高級ブランドが偽造品の撲滅に乗りだしているが、市場の需要がある限り、いたちごっこという印象は否めない。

そこでこれらのブランドは追及の矛先を偽造品を製造している工場から、マーケットプレースやオークションサイト、決済サービス会社、ドメイン登録サービス会社といった偽造品ビジネスを促進する合法的な企業へと変えた。

自社ブランドの偽造品を販売している400以上のサイトを訴え、9000万ドルの賠償金を得たアレキサンダー・ワン は、偽造者を法的に裁くことに成功した一例だ。

偽造品市場の拡大を防ぐ目的で、テクノロジーを利用するブランドも増えている。ホログラムステッカーに印刷されたシリアルナンバーに代わり、暗号化されたマイクロ粒子やシリアル化されたバーコード、RFID ・NFC チップなどを取り入れている。

スタートアップEntrupyが開発した、マイクロカメラで高級ブランドの商品が本物か偽物かを鑑定するスマホアプリも人気だ。Balenciaga、Chanel、Gucci、Hermes、Louis Vuitton、Dior、Fendiを含む15ブランド のオンデマンド真贋鑑定が可能だ。

LVMHの偽物を見分けるコツは?

世界で最も海賊版が出回っている高級ブランドのひとつ「Louis Vuitton」を傘下に持つLVMHは偽造品対策に年間1500万ユーロを投じるなど、商標および著作権の保護に関して極めて積極的なアプローチをとっている。かつて同ブランドの海賊版の販売を黙認していたeBayは3800万ユーロ、Singga Enterprisesは140万ユーロの罰金を支払っている(フォーチュン2015年6月25日付記事)。

特にブランドのロゴを全面に散りばめた定番「Monogram Bag」が 偽造品のターゲットにされているが、近年の偽造品は非常に精巧でロゴのデザインやパターンは本物とそっくりだという。本物か偽物かを見分ける手段として、バッグの内側に縫い付けられた、製造年月日と製造地を示す「デート・コード」をチェックする。

中古品を購入する場合、ハンドルとストラップ部分に使用されているバケッタレザーに注意を払う。本物に使用されているバケッタレザーは表面加工されていないため、多少なりとも変色しているはずだ(インディペンデント2018年12月16日)。

Chanelはロゴと「Authenticity Card」に注意

Chanelのバッグも造品メーカーの恰好のターゲットだ。見分けるには「C」が重なり合った ロゴに注意する。本物のバッグは右向きのCの上部が左向きのCにかぶさり、下部が下をくぐっている。

また商品についてくる「Authenticity Card(本物であることを証明するカード)」のシリアルナンバーはChanel特有の角ばった書体で 印刷されており、バッグの内側に記載されたシリアルナンバーと一致 している。皮の表面が不自然にてかてか光っている、あるいはアクリル臭がする 場合、偽物の可能性が高い(デイリーメール2018年7月6日付記事)。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online

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