──歴史エッセイスト・堀江宏樹が国民的番組・NHK「大河ドラマ」(など)に登場した人や事件をテーマに、ドラマと史実の交差点を探るべく自由勝手に考察していく!

 1月8日からは、待望の新大河ドラマ『どうする家康』の放送が始まります。「気弱なプリンス」として徳川家康を描くという方針自体は「なるほど」と思えたのですが、それを演じるのがスレンダーな松本潤さんというのが、自力ではフンドシもつけられないほど肥満した「狸親父・家康」のイメージとは正反対で、いったいどうなることか心配ではありました。しかし、予告映像で見る松本さんはなかなか立派な若武者ぶりで、いい意味で想像を裏切られた気がします。

 ところが、第1回のタイトルが「どうする桶狭間」。「桶狭間」とは、永禄3年(1560年)5月19日の「桶狭間の戦い」のこと。駿河・遠江(現在の静岡県)の「太守」こと今川義元率いる大軍勢が、織田信長率いる精鋭隊の前に破れるという「まさか」の事件が起き、歴史の転換点となりました。