――また、自分の伸ばしたい点と言いますか、今課題に感じていることはありますか?

伊藤:自分のスタイルですかね。確立しないといけないと思っているんです。今「伊藤健太郎って何?」と聞かれたとき、「これです」と自信を持って言えるものがないなと。そろそろ伊藤健太郎を確立していく年齢に入ってきたんだと思う。自分の曲げないスタイルを作りたいです。

ただ、自分の中ではスタイルを確立したいと同時に、柔軟にいろいろなことにも対応したいんです。ということは、そういうスタイルでいいのかななどといろいろと考えていくと、ドツボにハマッてしまう。だから最終的にたどり着いたのは、俺は俺でいいや、と。そういう感じで今はいます(笑)。だから40代、50代になったとき、どうなっているか楽しみですし、あんまり考えて目指すものでもないのかなと。

◆年を重ねても夢を追いかける“大先輩”の存在

伊藤健太郎
――お手本があるとよいですね。

伊藤:最近映画でご一緒して以来、かわいがっていただいている大先輩で、岩城滉一さんはカッコいいなと思う方ですね。

――どんな感じなのでしょうか?

伊藤:他人に興味がなさそうに見えながら、マメに連絡をいただいたり、ギャップがあるんです。あとは会うたびに「とにかくお前、カッコよくいろよ」と言ってくださる。でも意味が分からないから「カッコいいって何だろう?」と聞くと、「お前が考えることだから」と教えてくれないんですよ(笑)。

――きっとご自身の中には、確固たる答えはお持ちなんでしょうね。

伊藤:あとは年を重ねても夢を追いかけていらっしゃるんです。バイクのレースに出て優勝しちゃうんですよ。若い子も出ている中で。もちろん練習もしていらっしゃる。自分の知っている70代、80代は落ち着きに入るけれど、岩城さんはまったく落ち着かない。ずっと少年のような感じで、本当にカッコいいんです。自分もそんなイケオジになれるように、いい歳の取り方をしていきたいですね。