静也について「スパイダーマンみたい」という感想をいただいたのですが、それがすごくうれしかったんですよ。その方にはやくざモノとして捉えられていないんですよね。あとは『静ドン』を観て僕のファンになりましたって言ってくれた小学生くらいの子もいて、そういう年代の子も観るのかと思ったことも大きいですよね。
◆ダンスシーンには「びっくり」
――確かに死闘などの激しいバイオレンス描写もありますが、特に今回は冒頭から突然、映画『ラ・ラ・ランド』のように伊藤さんが踊り出すなど、コメディ要素も強まってましたよね。
伊藤:あれはびっくりしました(笑)。撮影日当日に振り付けを覚えて踊ったんです。あんなに踊ると思っていないから、ここまでしっかり振り付けがあるのかとびっくりしました。でも、面白かったです(笑)。
――若くして代表作と言ってもいいシリーズに出会えていることは、心境としてはどうですか?
伊藤:宝物がどんどん増えていっている感じでしょうか。自分の中で胸を張って代表作と言える作品があるのですが、『静かなるドン』も自分の中では代表作と言える作品ですし、素直にうれしく思います。役者としても、伊藤健太郎個人としても、そういうものをどんどん増やしていきたい。それが目標でもあるし、どんどん更新していかないといけないことでもあると思うんです。
◆アラサー突入したどり着いたのは「俺は俺でいいや」
――6月に誕生日を迎えられ27歳になりましたが、20代後半になって意識の変化などありましたか?
伊藤:全然そういう感じがしないんです。同級生と話していて、自分たちそろそろアラサーだねと。四捨五入をすると世間的にはそうなのかと(笑)。精神年齢が17、18歳くらいで止まっていて。そのときに自分が見ていた30歳の方たちって、確かに大人に見えたんですよ。
20歳くらいの子たちと現場やプライベートで会うと、自分がそう見えているのか不安で。いざ自分がその年齢になってみると、そうでもないなって思ってしまう部分があって、どうしてもまだまだ拭えない。大人にならなきゃなと思うと同時に、大人になりたくないという間で戦っていますね(笑)。