◆内村が見せたバランス感覚と愛

『内村プロデュース』に感じたのは、場の雰囲気のやわらかさだ。

なあなあでやっているわけではないが、緊張感を保ちながら各芸人がノビノビと芸を披露。若手もベテランも関係なく笑いを作り出すことができ、内村がスベリやミスもしっかりと笑いに変えてくれるので安心してボケを披露できる。

今回もレギュラー放送時と同じく、ふかわりょうが大喜利企画で珍回答をしても内村がやさしくフォロー。また、「引き出し王」で出川哲朗が無茶なリアクションで危険な笑いを披露した際、さらに「笑わせ王」でトランポリンを利用した危険な笑いを芸人がやりだした際は、抜群のタイミングで切り上げ笑いに変えた。

内村が確かなバランス感覚で場を仕切っていることで、芸人たちは追い込まれながら何かしらのネタを披露する勇気をもらえる。ミスをしたりスベっても救いの手を差し伸べ、全てを笑いに変えるテクニックを内村は持っているのだ。

◆笑いを何倍にも増やせる配慮やテクニック

また、芸人たちの笑いを何倍にも増やすフォローもうまい。

さらば青春の光・森田宅で「内P家庭訪問」を行った際は、芸人たちの暴走をうまくコントロールして次々とボケを生み出させた。

さらに有吉扮する猫男爵の登場シーンでは、うまく有吉を誘導しながら部屋で大暴れする動線を演出。最終的には場が荒れて収集がつかなくなったのだが、内村が機転を利かせて締めのコメントを行ってきれいに企画を終了させた。こういった配慮やテクニックがあるから、芸人たちはストレスなく楽しい収録を終えることが可能になるのだ。