しかし、3億こそ手に入れたものの、計画中に邪魔が入ったことで、幻獣はキイチたちのハコに敵対組織の内通者がいると断定します。その敵対組織のボスは九頭竜。6年前、幻獣は九頭竜(川瀬陽太)によってつくられたことも語られました。その“裏ボス”である九頭竜が、現在では幻獣と敵対することになっているんだそうです。このへん、あんまりよくわかりませんが、白シャツの川瀬陽太がいかにも「裏ボスはそこらへんにいるおじさんみたいな顔をしている」という香港ノワールの文法を守っているので、全然気になりません。このドラマはこういうキャラクターの造形が、とにかく楽しい。
そして警察の狙いもまた、キイチをより深く潜入させて幻獣と九頭竜を一網打尽にすることだということも明らかになっています。
次の仕事に成功すれば、兄妹を幹部に引き入れると鳳凰は言います。しかし同じころ、みんな大好き“始末屋”櫛田(フェルナンデス直行)が入間刑事を拉致。キイチに面通しし、「こいつを知ってるか? 知らないなら殺せ」とナイフを手渡してくるのでした。
「最悪だ……」
次回へ。
■絆と裏切りがくるぞー
キイチのハコメンバーは兄妹のほかに5人。ハコ長の美波(入山杏奈)はその美貌に似合わないゴミ屋敷に住んでいましたし、ほかの4人にも何か事情がありそうです。父親の借金を完済したのにまだ仕事を続けたがっている若菜ちゃん(岡井みおん)、警察手帳偽造の賢太くん(伊藤あさひ)は貯金が16万しかなかったり、スリの泰造さん(徳井優)は古い家族の写真を眺めていたりと、みんなに平等に「内通者の可能性」が示唆されました。ここ数回の仕事でハコメンバーはけっこうな報酬をもらっていて、それで若菜ちゃん(岡井みおん)は父親の借金を完済したはずなのに賢太くんに貯金がないのはおかしいけど、そこは目をつぶりましょう。
重要なのは、妹・ユキがもう完全にほかのメンバーに情が移って絆が生まれ始めてしまっていることです。次回以降、九頭竜の内通者があぶり出されることになるわけですが、ここでユキが裏切られることになったり、逆にユキの存在が邪魔になってきたりするわけですね。