第2話で彼らがスクエアダンスを練習するシーンには、各人の想いが錯綜(さくそう)している様子が重ねられており秀逸な演出。ただ“好き”というだけではない、複雑な心情をそれぞれが巧みに表現していました。そこに鉄平の兄・進平(斎藤工)も加わりそうな予感もあり、もはや何角関係か分からない! 複雑すぎるラブの交差がどうなるのか、引き続き気になるところです。
◆まだ定まらない物語の“核心”を探して
それ以外にも、現代の東京で生きる玲央にプロポーズした謎の婦人・いづみ(宮本信子)は、端島の若者たちの誰なのか? 昭和の鉄平と現代の玲央の繋がりは何なのか? 鉄平には進平以外にももう一人兄がいるのではないか? などなど、謎めいた要素があまりに多いことも本作の特徴です。
公式ホームページには「昭和の高度経済成長期と現代を結ぶ 70年にわたる愛と青春と友情、そして家族の 壮大なヒューマンラブエンターテインメント!」とありますが、物語の核心はどこにあるのか。
脚本家・野木亜紀子氏×監督・塚原あゆ子氏の最強タッグが、昭和の端島と現代の東京に生きる人々をどう繋げ、どんなメッセージ残すのか。豪華な俳優陣の演技とともに、最後まで目が離せそうにありません。
<文/鈴木まこと(tricle.ltd)>
【鈴木まこと】
tricle.ltd所属。雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Twitter:@makoto12130201