皆さんは「青空文庫」ってご存知ですか?実はたくさんの名作文学を読むことができる、ネット上の図書館みたいなものなんです。読書に挑戦したい方や、通勤・通学の時間を読書に当てたい方に今回は青空文庫で読めるオススメ作品20作をご紹介します。

名作を無料で楽しめる「青空文庫」とは

青空文庫のおすすめランキングTOP20!短編と長編に分けて紹介!
(画像=『Lovely』より引用)

読書に挑戦してみたいと思っても、どの作品に手を出していいかわかりませんよね。そんな方におすすめしたのが「青空文庫」です。

青空文庫とは、著作権切れになった作品や公式に許可を受けた作品を無料で読むことができる、いわばネット上の図書館のようなものです。公式サイトに訪問してジャンル分けされた作品群の中から、読みたい本を選ぶだけ。

パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンで手軽に読むことができ、最近ではKindleでの利用も開始されたので今後はますます利用者が増えることが予想されます。

青空文庫のおすすめ短編ランキングTOP10

青空文庫のおすすめランキングTOP20!短編と長編に分けて紹介!
(画像= unsplash.com/photos/HH4WBGNyltc、『Lovely』より引用)

青空文庫のおすすめ短編ランキング第10位:蜘蛛の糸/芥川龍之介

1918年に発表された芥川龍之介さんにとって初めての児童向け文学作品『蜘蛛の糸』。

泥棒という罪によって地獄に落ちたカンダタという名の男が、現世で蜘蛛を助けたことがあったことから、釈迦がこの男に救いの手を差し伸べるという物語。短編ながら人間の尊さと醜さが同時に描かれた傑作です。

青空文庫のおすすめ短編ランキング第9位:瓶詰地獄/夢野久作

1928年に雑誌『猟奇』の10月号に発表された夢野久作さんの探偵小説『瓶詰地獄』。

3部の手紙から成り立っているという書簡体形式で構成された作品で、物語はある海岸に流れ着いた3本の瓶に入った手紙を軸に進められます。今日も様々な解釈がなされている短編猟奇小説です。

青空文庫のおすすめ短編ランキング第8位:ごん狐/新美南吉

新美南吉さんの児童文学作品で代表作との呼び声も高い『ごん狐』。

物語は作者がある村の長老・茂平から伝え聞いた話として展開され、主人公の子狐・ごんと村で貧しく暮らす少年・兵十との交流を描いています。

青空文庫のおすすめ短編ランキング第7位:桃太郎/芥川龍之介

昔話として誰もが聞いたことのあるあの『桃太郎』を芥川龍之介さんが自分なりの解釈で再話しています。

芥川龍之介さんの『桃太郎』と昔話版との大きな違いは、主人公の桃太郎が「鬼退治をするヒーロー」として描かれているのではなく、醜さも併せ持つひとりの「人間」として滑稽に描かれている点です。

また鬼退治をした後の桃太郎の顛末も昔話版と大きく乖離しており、また違った物語として楽しむことができます。

青空文庫のおすすめ短編ランキング第6位:白痴/坂口安吾

1946年に雑誌『新潮』に発表された坂口安吾さんの代表作『白痴』。

敗戦間近の場末の裏町に住む映画演出家の男が、隣家の白痴の女と奇妙な関係を持つという物語。混沌とした時世を背景に男と女の肉欲に塗れた日々と、それを通して魂の真実を求めようとする孤独な人間の姿を描いています。

青空文庫のおすすめ短編ランキング第5位:山月記/中島敦

1942年に発表された中島敦さんのデビュー作であり代表作である『山月記』。

清朝の説話集『唐人説薈』中の「人虎伝」を原案に、唐代、詩人となる夢に敗れ、虎になってしまった男・李徴が、自分の数奇な運命を友人の袁傪に語るという変身譚です。

青空文庫のおすすめ短編ランキング第4位:檸檬/梶井基次郎

1925年、雑誌『青空』に発表された梶井基次郎さんの代表作『檸檬』。

梶井基次郎さんが京都に下宿していた時の鬱屈していた心の内を、色彩豊かな事物や心象風景に重ね合わせ詩的に描いた作品です。様々な感情を内包するモチーフとして、レモンが度々登場します

青空文庫のおすすめ短編ランキング第3位:千年後の世界/海野十三

日本SFの始祖の一人とされている海野十三さんの『千年後の世界』。

物語の主人公は若き野心にみちた科学者フルタ。自らを冷凍睡眠させ、一千年後の世界で目覚めた彼が見たものとは。日本、ひいては世界の未来をブラックユーモアたっぷりに描いたSF小説です。

青空文庫のおすすめ短編ランキング第2位:銀河鉄道の夜/宮沢賢治

宮沢賢治さんの代表作の一つとされる童話作品『銀河鉄道の夜』。

孤独な少年ジョバンニが、親友カムパネルラと銀河鉄道に乗って遠い宇宙を旅する物語です。作中では宮沢賢治さんによるたくさんの造語や、美しい日本語によって語られる宇宙の神秘など、想像力溢れる内容となっています。

宮沢賢治の死によって未完の状態での原稿しか残されていないため、研究家や読者の間でも様々な解釈がなされており、それがまたこの『銀河鉄道の夜』という作品の魅力となっています。

青空文庫のおすすめ短編ランキング第1位:走れメロス/太宰治

1940年、『新潮』の5月号に発表された太宰治さんの『走れメロス』。

小学校の教科書にも掲載されているため、細い描写は覚えていなくても、ざっくりとした内容は知っている方も多いのではないでしょうか。

純朴な羊飼いの青年メロスが、人間不信のために多くの人を処刑している暴君ディオニス王に囚われた親友を救うために命を賭ける姿を描いています。

無垢な友情と、一度だけ親友を裏切ろうとしたことを正直に打ち明けるメロスの正直さが胸を打つ傑作です。