◆元々はなかった『ブギウギ』のお座敷シーン
――そして『ちむどんどん』。
藤間:初めてセリフのある役でお芝居をさせていただいて、『ブギウギ』でお芝居も踊りも両方できました。
――私は日本舞踊を観るほうも全くの素人ですが、『ブギウギ』で藤間さんがお座敷のシーンで登場した瞬間に、「本物は違う!」としびれました。
藤間:嬉しいです。元々ああいったシーンは作る予定はなかったけれど、作ってくださったみたいなんです。ありがたいですよね。
『ブギウギ』は大阪局で制作されていて、主演の趣里さんはずっと大阪にいましたが、私はちょこちょこ通いでした。子どものときから後半になって顔つきがどんどん変わっていくのが、すごいなと思ってました。
◆『ブギウギ』スズ子との再会シーンで趣里からの提案が
――藤間さんもひとりの人物の一生を、通して演じてみたいですか?
藤間:そうですね。一度はやってみたいです。『ブギウギ』ではスズ子との再会のシーンが、一番印象に残っているんですけど、それも、タイ子のその間は描かれてません。趣里さんとも会っていなかったので、しっかり感情が乗せられるか、実は緊張していました。
でもあの撮影では、とても趣里さんに感謝しています。私の気持ちを汲み取って事前のテストをなしに「もう撮りましょう」と提案してくれて。長回しだったんですけど、本番になった瞬間に、子どものころに戻って涙が止まらなくなりました。趣里さんのおかげだったと本当に感謝しています。
――今回の『アイミタガイ』に通じることではないですが、趣里さんだったからという“縁”を感じますか?
藤間:“縁”でいえば、趣里さんのお父様(水谷豊)と、私の母(島村佳江)は、昔共演してるんですよ。「私たちの親って、昔共演してるんだよね!」って、そんな話をして盛り上がって、それで今自分たちがこうして共演してるんだなって、自分の中でグッときてました。