◆松田聖子ラブな赤間さんが、ラップに挑戦した理由
――赤間さんは演者としてだけでなく、企画の立ち上げからも参加しているとのことですが、これも珍しいやり方ですよね。
「監督や役者という立場は関係なく、全員がいちクリエイターとして参加するという形になっているんですよ。みんなが共有しているスプレッドシートがあって、思いついた時に都度企画を書き込んでいくスタイルです。ラッパーのMummy-Dさんに出演してもらった『主婦マリコ×MCマリー』は私が自分で企画しました(笑)」
――そうだったのですか! もともとラップをやっていたとか?
「私、松田聖子ラブなのでラップとは程遠いし、歌ってみたこともないです(笑)。でも、自分がやったことがないことをやっていかないと、こねこフィルムでは意味がないと思ったんです。失敗したとて再生回数に伸び悩むくらいのダメージですから、チャレンジするしかないでしょう! Mummy-Dさんも面白がってくださり、プロの懐の深さを感じました!」
◆基本は台本なし! 面白さを探りながら皆で練り上げる
――台本も企画者が書くのですか? それとも監督が?
「基本台本はありません。少なくとも台詞が文字に起こされているものは、初期にはありましたが、今はないんです。『コンビニでこういう店員がいたら』『電車にこんな人がいたら』みたいな設定をとりあえずやってみて、面白さを探りながら監督とともにその場で台本を練り上げていくんです」
――即興ともまた違う、作品によって撮影にかかる時間もまったく変わってきそうな……。
「そうですね。1時間弱で出来る作品もあれば、3時間かかるものもある。こねこフィルムは完全なる芝居ファーストで、役者の中から出てくるものを大事にしてくれる現場なんです。ネタだけ面白くても肝心の芝居がよくなければ意味がない。という監督のポリシーです」
◆世界であの作品たちがどう受け止められるのか