知られたからにはちゃんと話そうと思ったミワさん、冬月に電話をかけて、2人の思い出の場所である給水塔の広場に呼び出しました。改めて旦那と暮らしていくことを冬月に告げるミワさん。冬月はしくしくと泣き始め、ミワさんに抱きついてきます。そんな冬月を、優しくよしよしするミワさん。それはもう不倫じゃないし、恋愛感情でやってるわけじゃないんですが、忘れ物を持って追いかけてきた親友のマコトに目撃されてしまうのでした。
次週、「ヒロキさんは私の推し」と公言するマコトが、夫婦に波乱を巻き起こすようです。
■ご都合主義満載なわけですが
黙ってりゃバレないし、もう不倫相手とも会わなければいいだけ。ミワさんはその基本的な原理原則を堅実に守ろうとしていますが、ドラマは偶然によって冬月と再会させるし、偶然によって抱擁現場をマコトに目撃させます。
このあたり、徹底的にご都合主義なわけですが、私たちは待ってるんですよね。全部がバレて、ぐちゃぐちゃになるところを見たいと思ってる。そういう視聴者の期待を作り手側が理解しているから、こういう「偶然」の乱発を押し通してくる。そういう作り手と視聴者の共犯意識をうまく利用した作劇が行われているわけです。
文法としてはホラーなんですよね。恋人同士がイチャイチャしてたら、無差別殺人鬼の登場を待ち焦がれてしまう。偶然でもなんでもいいから、そこに現れて殺しちゃってほしいと思ってしまう。それと同じことが行われているわけです。
ホラーなら死んじゃえばいいんだけど、ミワさんやヒロキは殺してはもらえませんので、そこらへんのホラーより恐ろしいことが起こっていくことになる。
生きたまま人間を焼いたら、どうなるだろう。人間の肛門を、他人の口と縫い合わせて何人もつないでムカデみたいにしたら、楽しそうだな。このドラマを作っている人のメンタリティは、どちらかといえばそういうスプラッターな趣向だと感じます。