◆表情の演技が一辺倒? 木戸大聖の魅力とは

 きゃぁ、ウブだぁ~と叫びたくなる。キスを見たときの、胸がキュッとなるような、目の前の光景が遠のくような感覚。繊細というよりは、それをシンプルな純情の視線で木戸は見せてくれる。

 それ以外の場面でも基本的に、陽太はどこか一点を見つめるように相手を眼差す。その瞬間の表情も決まってピュアな感じ。それ以上でも以下でもなく、特に表情に変化はない。

 表情の演技が一辺倒と言えなくもないのだが、でもそれが木戸大聖の魅力ではないかと思うのだ。変に感情豊かな演技で、表情に細工を施すくらいなら、たとえ無骨な印象を与えても余計なことはせずにいたほうが、よっぽど潔くはないか?