大地パイセンの7回忌の会場にも訪れますが、大地パパは海里くんへの恨みを隠そうとしません。靴を顔面に投げつけて門前払いしますが、海里くんは土下座をして許しを乞うのでした。

 そんなこんなで嫌になっちゃった海里くんは、そこらへんの女と連れ立ってカラオケで痛飲。カラオケ屋の前で適当にキスなどしていたところをほこ美に目撃され、引き留められてしまいました。

 おせっかいなほこ美は、見るからにボロボロな海里くんを見ていられず「ほっとけない。私に何ができるか、ずっと考えてて……」と、いつになくシリアスモード。

「じゃあ、やらせてよ。へへっ」

 と海里くんが持ち前のクズムーブを繰り出すと、「いいよ」とホテルにイン。

 一度はほこ美を押し倒した海里くんですが、さすがに抱くことはできず、ほこ美に背を向けて「前に進もうとするたびに思い知らされる」などと言いながらメソメソと泣き始めるのでした。

 そんな海里くんにほこ美がバックハグをキメて、次回へ。

 クズが改心して、再び闇落ちして、最後には素直になって泣いちゃう。今回は玉森裕太の感情のオンパレードでした。そしておそらくは、ここまでの5話はこのベッドシーンに至るためにあったわけです。要するに玉森のためのアイドルドラマ、玉森の役を振り回して魅力を引き出す作業だったんだな。クズっぷりがステキすぎて、ずっとクズでいてほしいと思って見てたから気づかなかったよ。

■「殺した」について、やっぱもう少し言う

 このドラマではプロボクシングの試合後に相手が亡くなってしまった事故について、ずっとうっすらと「償うべき罪」として扱ってきましたが、今回に至って、直接的にパイセンの父親が恨みをぶつけるというシーンがありました。

「大地を返せ!」

 きつい言葉です。

 フィクションだし、玉森の魅力を引き出すために必要だったことはよくわかるんだけど、やっぱしプロボクシングの試合で相手が亡くなると、その選手の人生が台無しになるという描写はちょっと誤解を招くんですよね。そういうもんだと思われると、せっかく本物の現役世界チャンピオンである晝田瑞希選手が一生懸命お芝居しながら「このドラマ見て、ボクシング好きになって」ってアピールしてるのが逆効果にもなりかねない。