──本にもたびたび書かれていますが、「自分がこういう能力を与えられたから、人のために使わなきゃいけない」っていう意識、その使命感って、いつごろから芽生えたものなんでしょう。
くるま ちっちゃいころから、なんとなく思ってますけどね。なんのために生きてるんだろう、とか。僕、小2で中2病が来たんです。早めにそうなっちゃって、どうしたらいいんだろう、死なないために生きちゃってるな、どうしようかな、何が向いてるんだろうなって、ずっと考えてるんです。だから人に向いてるって言われたことをやってる。ラグビーもそうだし、お笑いサークルに入れば? って言われたから入ったし、お笑いを自分で始めようなんて思ってなかったし。これからも、人に言われたことをやろうっていう感じですね。
(取材・文・写真=新越谷ノリヲ)
●髙比良くるま(たかひら・──)
お笑い芸人。吉本興業所属。1994年生まれ、東京都練馬区出身。慶應義塾大学のお笑いサークルで相方・松井ケムリと出会いコンビを結成。2023年の『M-1グランプリ』では、第1回大会の中川家以来のトップバッター、かつ歴代王者の中で最短となる芸歴5年9カ月での優勝を果たした。『M-1』王者として異例の出場を果たした『ABCお笑いグランプリ2024』でも優勝するなど、今最も勢いのある芸人。
●『漫才過剰考察』
M-1グランプリ2023王者・令和ロマンの髙比良くるまがM-1と漫才を完全考察!
分析と考察を武器に、芸歴7年目の若手ながら賞レースをはじめ様々な分野で結果を残してきた令和ロマン。そんな令和ロマンのブレーン・髙比良くるまが、2015年から昨年のM-1、さらには2024年のM-1予想に至るまで、考えて考えて考え尽くした一冊。
「現状M-1に向けて考えられるすべてのこと、現在地から分かる漫才の景色、誰よりも自分のために整理させてほしい。頭でっかちに考えてここまで来てしまった人間だ。感覚でやってるフリをする方がカッコつけだと思うんだ」(本文より)