■2017年大会 マヂカルラブリー

準決勝では大ハマりした「野田ミュージカル」がまったくウケず、ネタ後の審査員コメントでは上沼恵美子に怒鳴られ、シャツを脱ぎすてて「マッチョッチョ」したものの、これまたスベリ倒して最悪の1日を過ごしたマヂカルラブリー。

だが、その後も挑戦を止めることなく20年大会で再びファイナル進出。せり上がりを土下座で上がってくるという完璧な伏線回収で観客の心をつかむと、一気に優勝まで駆け上がって見せた。

その後、翌年も「なんかヤバいやつ」というパブリックイメージが付きまとって思うように仕事量が増えなかった時期もあったが、徐々に野田の持ち前の上品さやクリエイティビティが知られるようになり、今では賞レースの審査員を数多く務めるなど信頼の厚い芸人となった。まだ3年前の話である。

■2020年大会 東京ホテイソン

17年から19年の3年連続準決勝進出で業界内知名度を高め、20年に満を持してファイナル進出。アキナが現在でも語り継がれるほど盛大なスベリを見せたが8位、いまだに井口浩之が「20年は10位よりウケなかった」という定番フレーズを使い続けているウエストランドの9位を下回り、大会内ではいかにも印象の薄い最下位となった。

しかし、当時20代中盤という若さや清潔感、たけるの平場での立ち回りの達者さは20年大会以前から注目されており、いわばこの年のファイナル進出が最終チケットとなった形でブレーク。今年のテレビ出演本数ランキングでは、たけるが8位(464本)、ショーゴが12位(446本)と、超売れっ子の仲間入りを果たしている。

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 そのほか、南海キャンディーズ(05年)、ハライチ(15年)、ニューヨーク(19年)、ランジャタイ(21年)など、『M-1』最下位を経験している売れっ子は決して少なくない。

 今年の最下位、くらげは光り輝きながら浮上することができるだろうか?

(文=新越谷ノリヲ)