「9位より最下位なんで、今日1日楽屋で『昨日最下位取ったんですよ』って言ったら、芸人は笑ってくれて、そのボケずっとやってたら5時くらいにウケなくなりました」
今年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で最下位となったくらげ・杉昇の“最下位漫談”は、大会翌日にはもう完成していた。
その日、もっとも面白かった漫才師を決める漫才頂上決戦『M-1グランプリ』のエントリー数は今年、8,540組に達している。その中から24日のファイナルに進出した10組は当然エリート中のエリートだが、やはり最下位という順位にはネガティブなイメージが付きまとうことになる。
しかし、多くの芸人が言う。
「8位や9位なら最下位がいい。ネタにできるから」
おそらく杉は最下位という順位が確定した瞬間から、『M-1』最下位トークを練り始めていたに違いない。翌日に生放送された『速報!M-1ネクストデイ』(同)の延長戦、TVerでの限定配信中に、ようやくそれを披露するチャンスが回ってきたというわけだ。スタジオは爆笑。MCの今田耕司も満足そうに「おもしろいやん!」とくらげを指さしていた。
来年、くらげにはそれなりの『M-1』特需が訪れ、バラエティへの出演も増えるだろう。『M-1ツアースペシャル』という出演メンバーが順繰りで参加する全国ライブツアーも控えている。そのすべてで、くらげは「最下位」を武器にトークする権利を勝ち取ったのだ。
今回を含め、過去19回開催されている『M-1』では、延べ19組の最下位コンビが生まれている。今回は、『M-1』で最下位を取った後に活躍を見せているコンビをピックアップしてみたい。
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