しかし、実は岸については降板が明言されておらず、日本テレビの石澤顕社長は「岸さんは『鉄腕DASH』の大切なファミリーと考えており、今後ともその方針に変更はありません」と発言している。そのため、ネット上では「毎年、米作り企画が始まる3月ごろに復帰するのでは」と期待されていたが、今回の旧ジャニーズとTOBEの共演報道でその可能性がぐっと高まったといえそうだ。

 こうした事務所の垣根を超えた共演は、両者にメリットがある。いくら勢いが落ちたといっても旧ジャニーズの所属タレントは多くのテレビ番組や映画などに出演しており、もし共演NGとなればTOBE側は活動の場が狭まってしまうため、旧ジャニーズとの関係を良好に保てるならそれに越したことはない。

 一方、旧ジャニーズは因縁のあるTOBEのタレントとも共演することで、世間やスポンサー企業に「ジャニーズ事務所から新組織に生まれ変わり、もう圧力や忖度はない」とアピールできる。そのアピールの場としては、高視聴率番組である『鉄腕DASH』が最適といえるだろう。

 また、旧ジャニーズとTOBEのタレントが共演する先述の映画は、鈴木おさむ氏が脚本を担当すると伝えられている。鈴木氏はSMAP解散騒動の舞台裏を描いたとされる小説を発表して旧ジャニーズ幹部の怒りを買ったといわれていたが、鈴木氏が脚本を手がける作品への出演を受け入れたというところでも、旧ジャニーズの「変化」が見受けられる。

 無用な忖度やタブーを完全に消し去り、心から楽しめるエンターテインメントを生み出せる方向に進んでいくことを期待したい。