◆夫との仲に深い溝が
この一件以来、幸久さんは残業を言い訳に加奈さんとあまり顔を合わせない生活を送るように。休日も加奈さんが目を覚ますと、幸久さんはすでにどこかへ出かけてしまっています。
「自分だけを見てほしくて夫の思い出を捨てたのに、これじゃ本末転倒。悪いことをしたのかもしれないと思っています」
パートナーであっても踏み入ってほしくない領域はあるもの。人の過去を受け止めることはたやすいことではないけれど、それができてこそ真の夫婦になれるのかもしれません。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291