「また、結婚してから夫と最初に話し合いになったのが、風呂に水をためておくか否かです。潔癖(けっぺき)な夫は最後に風呂に入ったら、すぐ水を抜いて掃除する人だったんですが、私は何かあった時のために風呂の水をためておくことが習慣。
最終的には夫の意見を聞き入れましたが、実は毎日が不安でたまりません……」
千穂さんの家の玄関には、非常用リュックやヘルメットももちろん常備されているといいます。
「家に人が来るたびにいつも驚かれるんですが、逆に『みんな置いてないの!?』と不思議です」
◆住む家は耐震を最要視。ハウスメーカーも余念がない
また、引越し先にもこだわりがあるとか。首都圏でのハウスメーカーCMは「まっすぐ帰りたくなるような家に」「洗練された居住空間」などと雰囲気重視のもの目立ちますが、静岡県ではちょっと違うようです。
「確認するのはまず、施行会社と耐震性です。県内のハウスメーカーのCMも耐震性をうたったものが多いですよ。東京に出てきた今でも、ハウスメーカーの『♪百年住宅~』とか『♪地震に強い家 セキスイハイム』などという、地震に強い家をアピールしたCMのフレーズが頭から離れません」
それは千穂さんだけではなく、同県出身の友人も「家を借りる際、親が耐震性に強いあるメーカーや施工会社の物件でないと許してくれなかった」のだと言います。
「不動産会社も慣れているのか、施工会社を聞けばすんなり答えてくれます」
また、地域によっては、頑丈で階数のある一般家庭が避難場所に指定されていることもあるのだとか。
「親戚の家は川や海に近い5階建てのビルだったため、地域から指定された津波の避難場所になっていました。毎年夏になると、近所の人たちを呼び、屋上で花火見物をするのですが、親戚に聞けば実はこれも『有事の時に遠慮なく入ってこれるように』という訓練の一部みたいです」
防災が生活や年中行事に根付いているからこそなのでしょう。