――芸人仲間から子育てや夫婦関係についてアドバイスをもらったことはありますか?

田村:2人目が生まれる少し前に、奥さんが「地元の大阪で子育てがしたい」と希望したとき、僕は東京で仕事があったので単身赴任になってしまうことに悩みました。そこで華丸さん(博多華丸・大吉)に相談したところ「奥さんのやりたいようにやるのが一番いい、奥さんの機嫌が一番大事ばい」と助言をいただきました。その後、大阪に引っ越したのですが、時が経てば経つほど「なるほど、ありがたいアドバイスやったなあ」と思います。

◆後輩芸人に喜ばれた、育児のアドバイス

田村裕さん
――田村さんが、芸人仲間に子育てのアドバイスをすることはありますか?

田村:後輩たちに必ず言うのは、「“俺は手伝ってる”という思い込みが一番危険。奥さんがやってほしいことを理解しないと、家の中のやるべきことは減らない。自己満足にならないように気をつけろ」ということです。

 例えば、赤ちゃんが泣いているとき、奥さんは計算して無理にあやさないこともあります。「オムツは替えたばかりだし、おなかも空いてない、今は少し泣かせておいたほうが夜しっかり寝るな」と考えているのに、たまたま家にいる夫が「何でほったらかしてるの」と、“やってます感”丸出しであやしてたら、奥さんはめちゃくちゃ腹立ちますよね。だから、奥さんが本当に何をやってほしいと思っているのか、夫婦で擦り合わせることをサボらないほうがいいとよく言っています。

あと、産後はホルモンのバランスが崩れて余計にしんどいから、奥さんが普段よりも気が立っているからといって、それが本性だとは思わないほうがいいということです。

――後輩さんたちの反応はどうですか?

田村:「聞いておいてよかったです」と言ってくれてます。特に感謝されるのは、「2人目が生まれたら、『奥さんは1人目のときに慣れているから大丈夫だろう』と慢心しないほうがいい」というアドバイスです。奥さんは、上の子を見ながら赤ちゃんを育てるのは初めてだから、すごく大変な思いをするんです。それなのに、1人目のときよりも手伝わなくなる夫が多いらしく、それを一生恨んでいるという話を以前聞いたことがあります。