恋愛について興味も経験も全然ない脚本家志望の女性が、いろいろあって恋愛ドラマの脚本作りの仕事に携わっていくことになるドラマ『若草物語 ─恋する姉妹と恋せぬ私─』(日本テレビ系)も第4話。先週の日曜は選挙特番があったので、1週飛ばしの放送となりました。
1週飛ばすと連ドラというのは、どんな感じだったっけ、とけっこう印象を忘れてしまうものですが、はいはい、やっぱおもろいわ。振り返りましょう。
■「文才がある」と誰に言われるか
絶賛制作中の恋愛ドラマを担当する大物脚本家・大平かなえ(筒井真理子)にその才能を見初められ、第3話のプロットを担当することになったリョウ(堀田真由)。大平かなえからは「主人公が自分の恋を自覚する瞬間」の描写がキモになると指導されていますが、実際に恋を自覚したことのないリョウにとっては結構な無理難題で、当然、筆は進みません。
しかも、服飾の専門学校に通う妹・メイ(畑芽育)の学費が50万、住んでいる一軒家の更新料30万という出費が重くのしかかり、精神的にもあんまりよろしくない状態。お金の心配とクリエイティブな作業というのはマジで相性が悪いですからね、集中できないまま書き上げたプロットは大平かなえにあっさり却下されてしまい、リョウは思わず幼なじみのリツ(一ノ瀬颯)に「助けて」なんて弱気なメッセージを送ってしまいます。
リツは優しいし、密かにリョウのことが好きですので、お金を貸そうか? と言ってくれますが、リョウにとってはそういうことではありません。もう仕事もあきらめようかと愚痴るリョウに、リツはお金より尊いお言葉をくれるのでした。
「リョウには文才がある」
こういうのは、誰が言ってくれるかが問題なんですよね。「あなたには才能がある」と言われて、心に灯がともる相手。その人がクリエイターにとってもっとも必要な人なわけです。リョウはリツと話をしていてやる気が出てきましたので、まあそれが恋とは違う関係でももっとも必要な人であるわけですが、そんな自覚はリョウにはありません。だから、このときの会話によって直接「主人公が自分の恋を自覚する瞬間」が描けるようになるわけではない。