古典的な若狭塗の箸は、男性用が黒、女性用は赤が主流で、現在のライフスタイルには取り入れにくいという声が多く見受けられたが、「rankak」は緑や黄色などの天然漆も使用。matsuba/緑、ito/赤、natsume/黄色、yuki/黒の4色をラインアップしている。

螺鈿の煌めきなど若狭塗の伝統的な魅力を持ちながらも、ドットやストライプや竹木地をあえて残したカジュアルさなどは、様々な食卓に自然と馴染むデザインとなっている。

未来への継承を目指した初めての取り組み

今回ものづくりを担当した若狭塗師・古川勝彦氏にとって、塗箸メーカーから企画を持ち込まれて新商品をつくることや、書物でしか見たことのない模様に取り組むことは、職人経験の中で初めてのこと。幾度も対話を重ね、試作には2年以上を費やした。

協働で新しい製品を作り出すのは初めての取り組みだったが、作る人と伝える人の力を掛け合わせて作った「rankak」は、若狭塗の美しさをより多くの人に伝えるための大切な一歩になった。若狭の海の美しさから生まれた伝統工芸・若狭塗は、身近にあるものを美しいと思う心や、身の回りにあるものから美しいものを生み出す人の力の素晴らしさを教えてくれる。

若狭塗を起源に持つ塗箸メーカーとして、この財産を未来に継承していくマツ勘が手がけた、作る人、伝える人、使う人、皆が心地よいプロダクトが「rankak」だ。


また、10月29日(火)〜11月5日(火)には、直営店「GOSHOEN」にて展示発表会を開催。「GOSHOEN」は、小浜市北塩屋に眠る県指定有形文化財「旧古河屋別邸」を、カフェや直営店を併設した施設として2021年リノベーションし、地域の人や観光客などが集える“みんなの別邸“として運営している。

塗箸作りのルーツである伝統工芸「若狭塗」を生かした「rankak」を手に入れて、模様の美しさを再発見してみては。