職人に舞台を用意し、表に出て仕事に誇りを持ってほしい、和菓子職人が増えてほしい、という願いもあるという。

「かりまん」のパッケージをリニューアル

ブランドの再構築として、パッケージブランディングにおいては、商品を7つのブランドに分け、デザインリニューアルを進めている。

7つのブランドは、社長・和氣の独自の世界観を映し出す「菓狂(かきょう)」、和菓子の芸術「JAPONE」、高林堂の歴史「高林堂」、日本の文化的伝統和菓子「暦」、伝統に自由な発想を加える「をかしや」、和洋の融合を追求する「A SO BI」、みんなに愛され続ける看板商品「かりまん」。

第1弾として、今年9月に、発売から15年目を迎えた「かりまん」のパッケージをリニューアルした。個装デザインはかりまんをモチーフとしたシンプルなデザインを基に、より親しみやすいロゴに生まれ変わった。

Drifter 益子悠紀氏

「かりまん」は、今も未来もみんなが食べたい身近なおやつ和菓子。子どももおとなも、袋に入ったかりまんを片手にワイワイと食べているような楽しいイメージで、Drifter益子悠紀氏がパッケージをデザインした。

箱の裏面には「かりまんが」。社長の繰り返す試作の日々と偶然の失敗から生まれたかりまん。その誕生秘話をまんがにした。更に裏のQRコードを読み込むと、社長と先代の大女将のかりまんにまつわるエピソードや、かりまん作りのこだわりのひとコマが。他にも「かりまん」という名前についての社長インタビューをYouTubeでみることができる。

1日2万個の販売実績をもつ看板商品

2009年に発売された「かりまん」は1日2万個の販売実績をもつ高林堂の看板商品だ。

今では全国的に広がった「かりんとう饅頭」だが、三角の羽を広げたようなパッケージスタイルは「かりまん」が初めてであり、「かりんとう饅頭」という和菓子の新ジャンルは「かりまん」が多くのメディアに取り上げられて爆発的にヒットしたことで生まれた。