道長を慕い、どんなときも変わらずら力になっていた行成も反発の姿勢を見せる。
しかし、これは道長の変化のせいでもあるだろう。緩やかに変わっていく思想。権力に対する考え方。偉くなどなりたくない、と言っていた道長だったが、偉くならなければできないこともある。それは民のために、まひろのために、のはずだった。その目的はいつすり替わっていたのだろうか。そもそも、道長自身が変わってしまったことに気がついていないのではないか。
大河ドラマを観ていると、年齢を重ねていく中で変化していく人柄、というのをよく目にする。なんだかそれは今の自分にも警告されているような……そんな気が、しないでもない。
<文/ふくだりょうこ>
【ふくだりょうこ】
大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ