衝突することもあったが、一条天皇と道長はどこかで少なからず信頼感があったように思う。しかし、三条天皇は笑顔を浮かべつつも、敵意がにじみ出ているような……。
これからの波乱を感じさせる。
そしてやっぱりこういうときに道長が訪れるのはまひろのもとだ。一方のまひろとしては、彰子の気持ちも知っているから複雑そうな面持ちだ。そしてまひろは道長になぜ敦成を東宮にすることで、自分の権力を示そうとしたのか、と尋ねる。
道長が言うことは昔と変わりがない。「俺は常にお前との約束を胸に生きてきた」。ここだけは揺るがない。
とは言え、若いころならいいけれど、今では重みが少し変わってくる。
このまま、道長の軸はまひろでありつづけるのだろうか……。
◆賢子に訪れた出会い
さて、まひろの周りでも変化が訪れていた。娘・賢子(南沙良)に出会いがあったのだ。盗人の一味から助けてくれた双寿丸(伊藤健太郎)。ハツラツとしていて、盗人から助けてくれるシーンなんてまさにヒーローの登場シーンそのもの! 後ろから光が差す演出もイイ。カッコよさが増す。
賢子は助けてくれた双寿丸にお礼として食事をごちそうする。いとはいい顔をしないが、賢子は楽しそうだ。双寿丸に「姫様って面でもないよな」と言われてもケラケラと笑っている。
まひろはそんな賢子に、あのようなことを言われても怒らないのかと問いかけると「私は怒ることが嫌いなの」と答える。それは道長が子どものころに言った言葉だった。一緒に暮らしているわけでもないのに、親子って恐ろしい。
それにしても、いまのまひろとしては道長にどういう思いを抱いているのだろう。相変わらず、道長はまひろへの想いがより強いようだけれど……。
◆バランスが崩れ始める
一条天皇が去ったことによって、世代が変わり、にわかに道長の周りのパワーバランスが崩れ始めたように見える。
彰子は弟たちを呼び、共に力を合わせよう、と手を取り合う。