cover interview 三吉彩花

平野啓一郎の同名小説を原作にした映画『本心』が公開される。本作は、急逝した母が実は“自由死”を望んでいたことを知り、その母の“本心”を知るためAIで彼女を蘇らせるという、未知の領域に足を踏み入れた青年・朔也と、彼を取り巻く人間の【心】と【本質】に迫るヒューマンミステリー。三吉彩花さんが演じるのは朔也の母が生前親しくしていた友人であり、彼女の素顔を知るキーパーソン“三好彩花”。「こんなに心が苦しかった現場は初めて」と話す三吉さんに作品に対する想い、今の【本心】を伺った。

Profile

1996年生まれ。2010年、雑誌「Seventeen」専属モデルに抜擢。同誌卒業後も「25ans ウェディング」カバーガールなど数々の雑誌モデルを務める。2012年、映画『グッモーエビアン!』で「第67回毎日映画コンクールスポニチグランプリ」新人賞受賞。2013年、映画『旅立ちの島唄〜十五の春〜』で「第35回ヨコハマ映画祭」最優秀新人賞受賞。近年では、Netflix「今際の国のアリス」など話題作に多数出演。2023年のAmazon Original映画『ナックルガール』ではボクサー役に挑戦。2024年7月、映画『先生の白い嘘』が公開。

見てくださった方が自問自答し、自分の“本心”を見出せるきっかけになる。そんな作品になっていたら嬉しい

「運命というか、ご縁を感じずにはいられませんでした」と、出演のオファーがきた時の気持ちから話し始めてくれた三吉彩花さん。

「お話をいただいた頃、ちょうど私自身も“私は何がしたいんだろう?私って何なのだろう?”と悩んでいる時期でもありました。俳優やモデルとしての“表現者”としてもそうですし“自分”としても何か迷っているというか、ポジティブなこともネガティブなこともいろんなことを考えていて。さらに、いただいた脚本に書かれていた役名が“三好彩花”。もう、すごい衝撃でした。運命とはこのことかと、不思議な気持ちになったのを覚えています」