死期を悟ったのか、モコちゃんは家族に近寄らなくなり、押し入れの奥などの静かな場所で過ごすように。そして、病院でレントゲン撮影をしている時に痙攣を起こし、天国へ旅立ちました。
長男さんはある程度、覚悟していたようで、取り乱すことなく死を受け入れたそう。
「ただ、亡くなった日は泣きながら『最後だから一緒に寝るんだ』と言い張って、硬直したモコと一緒に寝ていました」
◆モコちゃんとの思い出を自作の物語に
大切な存在を失った長男は、再び癇癪を起こすかもしれない。心配したパパひつじさんは長男さんが穏やかな気持ちで暮らしていけるよう、自作の猫物語を家族に贈りました。
「モコは長男に拾われて幸せだった。そして、俺たちもモコに救われた。いつまでも悲しんでいたらモコも悲しむから、前向いて生きていこうね!と伝える物語です」
その物語のおかげか、長男さんは「モコは俺を救ってくれた。そんな俺がいつまでも悲しんでいたらモコが悲しむ」と前を向いてくれたそう。長男さんの部屋には“骨壺”という形で、モコちゃんと生きた証が大切に飾られています。
◆二代目にゃんこ「チビ太」との生活で次男に変化が
現在、パパひつじさん宅では、チビ太くんという猫が生活中。チビ太くんは、多頭飼育崩壊の環境から保護された猫出身。地元紙に載っていた里親募集を見て、譲り受けました。
「最初からチビ太と呼ばれていたので、名前は変えませんでした。生後半年と書かれていましたが、実際は1歳くらいで名前の割にデカすぎる姿に家族で笑いました」
チビ太くんはモコちゃんとは対照的で、気まぐれ。基本的には呼んでも来ず、次男さんにだけ甘えます。
「次男以外に甘えるのは、ご飯貰うための社交辞令(笑)。長男との交流も、社交辞令程度です」
チビ太くんとの生活で、次男さんにはある変化が。これまでは、どちらかというと面倒を見られる側でしたが、面倒を見ることを覚え、ご飯や水が切れていないか気遣うようになりました。