そのパンクブーブーは、翌10年に連覇を目指してエントリー。大会前からこの年での『M-1』終了が発表されており、9年連続9回目のファイナル進出となった笑い飯への優勝の機運が高まっていた。パンクブーブーはファーストステージで笑い飯と同点トップとなる668点を獲得して最終決戦に進んだが、優勝した笑い飯、絶大なインパクトを残したスリムクラブの影で、やはり存在感を示せずに終戦を迎えている。
そのほか、03年大会優勝のフットボールアワーが06年に2度目の優勝を目指してエントリー。こちらも最終決戦には残ったものの、チュートリアルに史上初の完全優勝(7票)を許している。
10年に一度終了し、15年に新『M-1』として再開してからは、優勝者の再エントリーは令和ロマンが初めての例となる。22年王者のウエストランド・井口浩之が翌年のエントリーの意向を示唆したこともあったが、大会側からの働きかけがなかったことなどを理由に「空気を読んで」エントリーを断念している。
その意味でいえば、令和ロマンはまるで空気を読まずに、生放送中に「来年も出ます!」と宣言し、『ABC』を勝ち切ることで歓迎ムードの空気を作ってきた。大会前の機運としても、令和ロマンの連覇を待望する声が高まっていくに違いない。
では、誰が令和ロマンの連覇を阻むのか。
昨年の最終決戦で最後まで争い「3-4」という1票差で敗れたヤーレンズが最有力候補といえるだろう。昨年まで年間300とも400ともいわれるライブでネタを磨き上げてきたコンビだが、今年は昨年の『M-1』効果でテレビ出演が激増。環境の変化がどう影響するか。