結婚を控えた精神科医の藤代俊役を佐藤健、謎の失踪を遂げる藤代の婚約者・坂本弥生役を長澤まさみ、藤代の学生時代の恋人で、世界中を旅する伊予田春役を森七菜が演じている。

 数字としてはそれなりのスタートを切ったが、大手映画情報サイトのレビューでは、《映像と音楽が綺麗以外、正直心動かされることがなかった。》、《正直に言うと、内容は少し理解しにくかった。》《感情移入できない。冷静になって考えると酷いことしかしてない。》など微妙なコメントが目立った。

「東宝の配給にしてはスタートの公開館が254館と少なめだったが、それもそのはず。おととし、川村氏の原作小説を菅田将暉と原田美枝子のダブル主演、菅田の相手役が長澤まさみで、川村氏がメガホンを取って映画化した『百花』が公開されたが、興行収入は6億円という微妙な結果に。それでも、今作は佐藤の主演とあってか、ヒットの基準となる興収10億円は超えそう。佐藤は川村氏の小説を映画化した『世界から猫が消えたなら』(16年)、『億男』(18年)でも主演を務め、今作で川村氏の実写映画は3作目だが、同氏とは親交があることもあり、佐藤を主人公で当て書きしているのかもしれない」(映画業界関係者)