お次のパン屋はパスコ。そこの看板商品の「超熟」の中にネズミの一部が混入していたのだから大変だ。
話はガラッと変わるが、一昨日の土曜の夜、月島へもんじゃを食べに行ってきた。
外国人観光客はそう見かけなかったが、日本人、それも若者たちの姿が多く、どこの店もずらっと行列。
どこに聞いても2時間待ち。居酒屋の名店「岸田屋」をのぞいたが当然満席。
仕方なく裏通りに入って、人の入らなそうな店を物色。ようやく一軒見つけてもぐりこんだ。
私の持論は「もんじゃはどこで食べてももんじゃ」。そこはうらぶれた小さな店で、やはりうらぶれた(失礼!)夫婦でやっていたが、もんじゃは美味しかった。
少し飲みすぎて、ふらふらしながら月島駅に。その前に近くのファミマで食パンを買う。
家に帰ってきてみたら、それが「超熟」だった。一瞬、捨てようかと思ったが、思い直して翌日の朝食に。
買うとき「超熟」だとわかったら買わなかったと思う。もちろん翌日食べたが何ということもない普通のたいして美味しくもない食パンだった。
ポストは、シェアナンバー1の「超熟」になぜ、ネズミの一部が混入したのかをルポしている。
「パスコ」で知られる敷島製パンが「超熟山型5枚スライス」に小動物らしきものの一部が混入したと発表したのは5月の連休明け。
群馬県内でそれを購入した2人の消費者から通報があり、その後の調査で5cm程度の遺物は「クマネズミの一部」だということが判明した。
敷島製パンは創業100年を迎える同族企業で、創業家の盛田家はソニーの故・盛田昭夫一族と親戚筋にあたるという。
超熟は当時副社長だった盛田淳夫が号令をかけてできたそうで、製造工程の衛生管理は徹底されてきたという。
だが、そうした厳重な製品管理があっても、人が手を触れる限りそうしたことは起こりうるという。
「敷島製パン」の工場担当者がこういっている。
「多摩工場もクリーンな環境が保たれていたはずだから正直なところわからない。ただ、『超熟』は仕込みから焼き上げるまでの生地の管理が大変で、機械では確認できない生地の変化を人の目で確かめます。通常のパン製造より工程や手間が多いから、注意を払っていてもそのどこかの工程で混入してしまうことはあるのかもしれない……」
ポストによれば、製パンメーカーの異物混入は数年に一度、表面化しているという。
2022年には山崎製パンの名古屋工場で生産された『小倉パン』の一部にプラスチック片が混入した恐れがあるとして、自主回収を実施。北海道札幌市に本社を置く日糧製パンでも、2017年、道内の一部の店舗で販売した食パンに金属片が混入した可能性があるとして、自主回収しているそうである。
そのような異物混入があった社は、その後どのような対策をとっているのだろうか。
製パン最王手の山崎製パンは、「科学的根拠に基づいた食品安全衛生管理体制を構築しています。細菌面の衛生管理、異物混入防止対策、製品の表示を3つの大きな柱として、日々の管理を行っています」(広報、IR室)と答えている。新潮には答えなかったのに……。
食品問題に詳しい消費者問題研究所の垣田達哉はこういう。
「工場で大量生産される食品の中でもパンは生地をこね、発酵させてから成形して焼き上げる、といった工程に人の手が欠かせません。すべてを機械化できない分、エラーが起きやすくなることは確か。敷島製パンも企業努力を重ね、異物混入を防ぐしかありません」
人間の手が入る以上、こうしたことはまた起こるかもしれない。そうなれば、一気にパンの需要は落ち込むだろう。
私の好きなバゲットはどうなんだろう、心配だ。