今週は現代がお休み。このところ週刊誌が低調だ。文春も仰天スクープが見られない。

 まあ、こういうときもあるさ。

 文春の巻頭特集「秋篠宮家の危機」は連載でやるそうだが、第1回を読む限り、何をやろうとしているのかが見えにくい。

 というわけで今週は順位なしにした。

 まずは新潮から。

 唐十郎とは会ったこともないし、アングラ劇団・紅テントを見に行ったことはなかったが、唐という強烈な個性があの頃の時代を象徴する存在だったことは間違いない。

 私の中では、田中邦衛主演の『北の国から』(フジテレビ系)で、トドと呼ばれる気性の激しい男を演じた唐が印象に残っている。

 五郎の息子の純がコンビニの店員・高村結(内田有紀)と出会う。だが彼女は人妻。その義父・吾平役が唐だった。

 海の男の逞しさと荒々しさを見事に体現した唐の演技は、『北の国から』でも忘れがたい印象を残した。

 下谷万年町育ちの“武闘派”。やはりアングラの旗手だった寺山修司との「出入り」は大きな話題になった。

 新潮によれば、寺山の「天井桟敷」が芝居を打った時、唐が花を送ったが、それはパチンコ屋の前に飾ってあったものだった。

 唐が寺山のシマである渋谷で芝居を打つ時、今度は寺山から葬式用の黒い花輪が届いたというのである。

 そこで唐が「行こうか」となり、寺山のところへ殴り込み、双方、警察に捕まり一泊泊まりになった。

 だが、翌日になると、唐と寺山は「よぉ」なんて挨拶を交わしていたという。

「唐さんにとっては芝居の一部なんです」(俳優の大久保鷹)

 看板俳優の小林薫が退団するときには、出刃包丁を持って小林の家に行ったが、小林は事前に察知し帰宅しなかったそうだ。

 唐は小説『佐川君への手紙』(河出書房新社)で芥川賞を受賞している。

 才能あふれる暴れん坊は、好敵手・寺山修司と同じ5月4日に亡くなった。享年84。