「我々もテレビに出させていただくようになると、必ず爆笑問題さんと一緒になるんですね。『ENGEIグランドスラム』(フジテレビ系)、『THE MANZAI』(同)、年末年始の番組、全部爆笑さんが出てるんです。それがまずすごい」
確かに、爆笑問題ほど活発にテレビで漫才を披露している漫才師は、この世代には誰もいない。舞台を見ても、定期的に寄席に出ている漫才師は数多くいるが、爆笑問題ほど新ネタを作り続けている漫才師はいないだろう。爆笑問題は現在でも2カ月に一度のタイタンライブで新ネタを下ろし、毎年年末には60分~90分の長尺漫才を「爆笑問題のツーショット」として収録している。それも、すべて時事ネタである。
「なんで爆笑さんが時事ネタをやるのかってなると、言い方が難しいんだけど、『優しさ』みたいなのが多分あると思ってて」
塙は、自身のパーソナルをひけらかすよりも、お客さんの待っている話題を提供する爆笑問題の漫才を「優しさ」と表現した。
「自分もそこを見習っていきたいなっていう」
太田光自身は、時事ネタ漫才を作る理由について、各メディアの取材にも一貫してただ「ウケるから」「ウケやすいから」としか答えていない。ただ舞台の上で披露された漫才だけが、多くの後輩に影響を与えていく。
(文=新越谷ノリヲ)