NHKは「貴重な文化財を破損したことを深くお詫びいたします。関係機関の指導に従い、適切に対応してまいります。改めて文化財の保護を徹底してまいります」と謝罪した。
故意に壊したわけでなく、一般公開や公演などにも影響がないということで、本来ならそれほど大きな騒動にはならないはずだったが、炎上騒動レベルの多くの批判が寄せられている。それというのも、NHKがロケで文化財を破損したのは初めてではないからだ。
昨年4月には、2023年度後期の朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の撮影で、国重要文化財の「百済寺」 (滋賀県東近江市)の本堂廊下で出演者10人がダンス練習シーンのリハーサルをしたところ、床板が長さ約5メートルにわたって陥没。床板を支える木材が折れたとみられ、床板約20枚が破損し、同ドラマを制作したNHK大阪放送局の局長が謝罪する事態になった。
百済寺の本堂は織田信長の焼き打ちで焼失後、江戸時代初期の1650年に再建されており、ネット上では「歴史ある重要文化財の廊下で大勢が踊るシーンを撮影しようとする感覚がおかしい」「文化財保護を第一に考えていれば、そんなところでダンスを撮影しようとは思わない」といった指摘も上がった。
本来ならこの時に文化財保護を徹底するべきだったが、教訓を生かせず、再び重要文化財での撮影中にアクシデントとはいえ破損事故を起こしてしまったことで、非難の声が殺到したようだ。