実際、番組放送後、インターネット上でもさまざまな意見が飛び交っているが、芸能ジャーナリストの竹下光氏もこう話す。
「NHKに関してはメディアとしての責任を果たせなかったことに加えて、『ザ少年倶楽部』の楽屋だった西館7階のリハーサル室などがジャニー氏による性加害の現場になっていたことなど、根深い問題も抱えているわけですからね。難しい部分もあるとは思いますが、それでも一人の元職員だけでなく、現役、OBも含めてより多くの関係者の証言を集めてほしかった」
また、同番組が放送されたタイミングも気になるところという。
「NHKは大みそかに紅白を控えた今月16日、STARTO社の所属タレントの番組起用の再開を発表したばかりですからね。番組の最後には“NNKのコメント”として、そのことに言及したうえで、『この問題はこれで終わったと考えていません。NHKも当時の認識や対応が十分ではなくメディアの責任を果たせなかったと自省しています』や『新しい事実が出て来た場合の検証は報道・番組を通じて行い公共放送としての役割を果たしていきたい』と表明していました。一部では、番組の制作、放送に漕ぎ着けた報道部の気概を称賛する声がある一方、『この番組の放送を持ってひと段落とし、後はうやむやにするのではないか』といった厳しい見方があるのも事実です」(竹下氏)
果たして、NHKが再びジャニー氏、旧ジャニーズ事務所の暗部に焦点を当てた番組を放送する日は来るのだろうか。
同番組の平均世帯視聴率は7.6%(ビデオリサーチ、関東地区、以下同)で、放送された日曜午後9時のNHKスペシャルの枠では高い数字を記録。
くしくも元SMAPのメンバーでジャニーズを退所した中居正広がMCの裏番組、フジテレビ系『だれかtoなかい』の5.1%を大きく上回ることになってしまった。