――中村さんのご自宅には、たくさんの洗剤がありますが、どのように使い分けているのでしょうか。
中村さん「これは洗剤というより、洗剤の成分をそれぞれ別々にしたものです。汚れの強さや衣類の種類、仕上がりに合わせて、各成分を自分で調合して使っています。市販の洗剤は、このような調合があらかじめされています。そのため、あらゆる汚れに必要そうなな物が入っているのですが、逆に言うと、そこまで洗浄力が必要なくても、余分に入っている場合も多いのです。
僕は、市販の洗剤を『鍋の素』に例えて説明するのですが、鍋を作るときに鍋の素を使えば、必要なものが全部入った鍋ができますよね。でも、自分の体調や好みに合わせた味ではない場合も多い。そのときの気分や体調にあわせて、自分好みの鍋を作りたいときは、出汁の量や入れる調味料を自分で考えて調理します。
これと同じで、洗剤も自分好みの洗い上がりにするために、必要なものを組み合わせて洗っています」
◆洗濯する人の数だけ洗濯の方法がある
――写真に写っている洗濯機の並びが圧巻なのですが、これらの洗濯機はどのように使用しているのでしょうか。
中村さん「必要なものを全て揃えたら、この並びになりました。手前の二つは定番のドラム式と縦型で汚れ・衣類の量・乾燥の有無、洗うアイテムなどで使い分けています。その奥にあるのが二槽式です。
二槽式は、自分の止めたいところで水を止めて水量が調節できるなど、水の量、回転、脱水すべてが意のまま操作できます。ただし、そのぶんつきっきりにならなくてはならず、毎日の洗濯での使用には現実的でない人も多いかもしれません。」
――奥の二つの洗濯機は、どのようなものでしょうか。
中村さん「奥の二つは、ドイツのミーレというメーカーのもので、乾燥機とドラム式です。僕が尊敬している洗濯機として揃えています。」