洗濯王子という愛称で各種メディアに登場し、洗濯教室も開催している洗濯家・中村祐一さんのTweetが、先日話題となりました。
中村さんは、ドラム式の洗濯機を使っている人から、タオルが黒ずむという相談を受け、すすぎの回数や水量、洗う衣類の量を調整することが大事であることを説明し4万1千いいね!されています。
この「タオルの黒ずみ問題」やとれない匂いなど、毎日洗濯をしていると、気になる問題がたくさん出てきますよね。これを機に、洗濯についてさらに詳しく知りたいと思い、中村さんに話を聞きました。(初公開日は2020年9月24日 記事は取材時の状況)
◆ドラム式か縦型かで、黒ずみ問題の解決方法は異なる
――Twitterで話題になっていた、タオルの黒ずみを取る方法について、改めて教えていただきたいです。
中村さん「まず、なぜ黒ずみができるかというところなのですが、洗濯は『洗い』の際に、洗剤で汚れを包んで水に移します。そして『すすぎ』で、洗剤で包んだ汚れを流していくのですが、この『すすぎ』の工程がとても重要で、汚れた水がちゃんと流れないと、汚れが衣類に付着して、衣類が黒ずんできます」
――黒ずみの原因は、洗ったときに出た汚れが、「すすぎ」できちんと流れていなかったからなんですね。
中村さん「そうです。なので、黒ずみを取るためには綺麗な水ですすぎをきちんとして、汚れを流してあげることが大事です。キレイにするためには、2回以上のすすぎは必要です。また、縦型の洗濯機であれば水量を調整して、水の中にきちんと衣類が沈んでいる状態で洗うこともポイントです」
――自分で水量を設定できない、ドラム式の洗濯機の場合はどうすればいいでしょうか。
中村さん「ドラム式の洗濯機の場合は、洗う衣類の量を自分で調整してください。目安としては、従来の量の半分~3分の2くらいの衣類を入れて洗うのがよいかと思います。というのも、ドラム式は、少ない水で衣類についた汚れをたたき洗いするという構造なので、衣類を詰め込みすぎると汚れを落とす効果も半減してしまうからです。
さらに、使用する水の量も少ないため、衣類が多いと汚れも流れにくく、黒ずみがつきやすくなります。縦型は水量を増やす、ドラム式は入れる衣類の量を減らす、という方法で対応してください」
◆生乾き臭を取る方法
――洗浄力の高い洗剤を使わないと、タオルの黒ずみは取れないと思っていました。
中村さん「汚れをとっても、流れなければ意味がありません。ちなみに、柔軟剤を入れる場合にすすぎが一回だと、黒ずみがつきやすくなります。洗剤は汚れを落とすものですが、柔軟剤は衣類をふんわりと仕上げるもので、全く性質が異なります。
汚れが落ちていない状態で柔軟剤が入ってしまうと、柔軟剤が汚れを衣類にくっつけてしまい黒ずみやすくなります。なので、柔軟剤を入れるときは、特にすすぎの回数を2回以上にするなど意識してください」
――黒ずみも気になるのですが、生乾き臭も取れずに困ることがあります。
中村さん「生乾きなどの匂いは、衣類に雑菌が付着していることが原因です。これは、付着した雑菌を取り除かないといけないので、つけおき洗いをしてください。
桶やバケツに、40度くらいのお湯をためて洗剤を入れます。粉末タイプの洗剤は洗浄力が高くてオススメです。そこに酸素系漂白剤をプラスして、30分ほどつけてあげて、その後にいつものように洗濯をしてみてください。衣類の表示を確認してやってみてくださいね。