女性ならいつかやってくる「閉経」。

日本人は平均約50歳、早いと40代後半で生理が終わり、その前後5年は「更年期」と呼ばれます(日本産婦人科学会による)。

◆脳みそが粘土のよう

更年期って、いったい何が起きるんでしょう?

女性ホルモンの低下で、ほてり、動悸、ホットフラッシュなどの症状がよく知られていますが、メンタルの不調が出る人もいるそうです。

漫画家の安彦麻理絵(あびこ・まりえ)さんもまさにそれ。50歳で閉経してうつ状態になってしまい、そこから回復するまでを描いた漫画『生理終了!と思ったら。更年期メンタル、私なりの付き合い方』(竹書房)を刊行しました。

生理終了!と思ったら。 更年期メンタル、私なりの付き合い方
「脳みそが粘土のよう」「洗濯物もたためない」「わざと風呂に何日も入らず、服も着替えず、腐乱死体みたいになっていた」と、ほとんどセルフネグレクトのような有様。最近流行り(?)の“風呂キャンセル界隈”には、メンタル不調が原因の人もいるそうですが、まさにそうなってしまったんですね。

このままじゃ生理終了どころか、「私」が終わってしまう――。そこで、自分を立て直すべく、あらゆる方法にチャレンジした過程が漫画に描かれています。更年期の人からは「わかるわかる」という共感の声が、もう少し若い読者からも「更年期ってこんななの!?と勉強になりました」という声が寄せられているそうです。

◆ボロ下着を全部捨てたら、脳内がすっきり

回復の方法――といっても、本当に身近で安上りなことばかりです。

たとえば「ヨレヨレになったパンツやブラジャーを捨てる」。

あるある!もう男性の前で脱ぐ機会もなくなって、気がつけばビロビロに伸びたブラやパンツが引き出しを占拠してたりしますよね。安彦さんは、これらを捨てたら、不思議と脳がすっきりクリアになったとか。

うつ状態になったら「まずは部屋を整理整頓しなさい。部屋の状態は、頭の中の状態と同じだから」というのは、精神科医の春日武彦先生の持論ですが、安彦さんも自然にそれを実践していたわけです。