◆恋愛問題に見えるハラスメント

教員から学生へのアカハラはたびたびニュースにもなるが、多くの場合、上下関係を利用していることが誰の目にもあきらかだ。一方で、学生間のハラスメントには、そのわかりやすさが、ない。

特に一方が「恋愛である」と主張しているときは、判断する側に「個人間の恋愛問題」と受け取られることも多いのではないか。

――学生間の、一見“恋愛問題に見える”ハラスメントを訴えるむずかしさについて、教えてください。

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理系女ちゃん:大学教員にとって研究室の運営は仕事の一部でありますが、同時に彼ら自身が研究者でもあります。ですから、個々の学生の細かな性格や特性を把握する余裕はない人が多いと思います。そんな教員にとっては誰の主張が正しいか判断することはむずかしいでしょう。そもそも教員が対応を面倒くさがるという声も聞きます。

また教員自体も、男性がマジョリティのコミュニティで大学生活を送っているため、男女間のコミュニケーションに関する価値観がズレている可能性もあります。

もし訴えても聞き入れられなければ、その後、研究室内での人間関係が悪くなることは自明ですし、訴えることをあきらめている学生も少なくないと思います。